よくあるご質問
不貞をして慰謝料を支払った人には求償権があると聞きました。求償権とはどのような権利ですか。
不貞行為は、不貞をした既婚者とその不貞相手による共同不法行為です。共同不法行為とは、加害者が複数いる不法行為のことです。このような共同して不法行為を行なった場合、連帯して被害者に対する賠償義務を負います。この場合、1人が被害者に対して賠償を行なった場合、その一部の負担をもう1人に対して求める事ができます。これを求償権と言います。
そして、不貞行為に対する慰謝料の求償権とは、慰謝料として支払った金額の一部を、不貞の相手となった方に請求できる権利です。たとえば既婚男性と不貞をした女性が男性の妻から慰謝料請求されて支払った場合、支払った慰謝料の一部について、既婚男性に対する求償権として請求権を取得します。求償権を行使することで、実質的に支払った慰謝料の一部を取り戻すのと同様の効果を得られます。
では、支払った金額のうち、どの程度を求償できるでしょうか。それは負担割合によって決まります。共同不法行為の負担割合は、加害者どうしで合意して決めることもできますし、合意がなければ結果に対する責任の大きさで決まります。不貞行為の場合、強引に関係を迫った、執拗に誘惑した、職場の上司と部下の関係にあるなどの場合に、一方の負担割合が大きくなることがあります。
なお、不貞の慰謝料について示談や裁判上の和解をする際、和解条項に求償権の放棄を含めることがあります。